2アマ 23年4月期 無線工学 A−15

 今日はA−15を解きます。ここでは、解き方しか書きません。

問題については、kemaさんのホームページにある
http://www.khz-net.com/kema/003radio/01licence/2ama/2ama-23-04-kougaku.pdf

回答については、
http://www.khz-net.com/kema/003radio/01licence/2ama/2ama-23-04-kougaku-kaitou.pdf

を見てください。

【問題を解く前に】

 最高使用可能周波数、最低使用可能周波数、最適使用周波数ですが、まずは、臨界周波数について考えます。

 電波は、地表を這って行く地表波と、
 地球の大気が太陽光線や宇宙線によって、イオン化した(=電離した)ため、
 電波をはじくようになったところ=電離層によって、反射された、電離層波があります。

 地表波はそんなに届かず、電離層波はとても遠くに届きます。
 しかし、電離層波は、すべての周波数で使えるわけでなく、ある一定以上の周波数になると突き抜けてしまいます。
 この突き抜ける周波数が問題です。

【解き方】

 地表から、真上に向かって電波を発射すると、ある周波数からだと、電離層に跳ね返って帰ってきます。
 ところが、どんどん周波数をあげていくと、あるところで、電離層を突き抜けます。
 この突き抜ける直前、跳ね返ってくる「最高の」周波数が、臨界周波数です
 (=1は違う)




 臨界周波数は、真上に向かって電波を発射しましたが、ふつうはそんなことをせず、斜めにぶつけて、遠くまで、電波を飛ばそうとします。
 このとき、反射する最高の周波数は、実は臨界周波数と違います。
 これを、最高使用可能周波数といいます。
(=3は違う)



 最高使用可能周波数は、以下の式で求められることが知られています(セカントの法則)



   最高使用可能周波数=sec入射角 * 臨界周波数

 sec、セカントは、cosコサインの逆数です。(secθ=1/cosθ)
 ここで、θは入射角といわれるもので、今回は0〜90度まで動きます。
 ということは、cosは、1〜0まで動きます。
 secはcosの逆数なので
    cosが1→ 1/1→secは1
    cosが0.8→1/0.8→secは1.25
    cosが0.5→1/0.5→secは2
    cosが0.2→1/0.2→secは5

 というように、secは、1以上、どんどん大きな数になります。

   最高使用可能周波数=1以上、大きな数*臨界周波数

 なので、最高使用可能周波数は、臨界周波数より、「高い」周波数となります
 (=4は違う)


 一方、ある周波数より低くなると、今度は、電離層は、その電波を減衰させます。
 これが、最低使用可能周波数です。この周波数より「低い」と、減衰が大きく、
「電離層波は」使えません。地表波が届くことになります。
 (=5は違う)
 このため、中波ラジオ(文化放送とか、ニッポン放送とか)は、昼間は、電離層の
 D層(電離層は何層かに分かれている)での減衰が大きいため、近くしか聞けませんが、
 夜は、電離層で反射して、遠くまで聞けます。



 そして、 最高使用可能周波数の85%の周波数を最適使用周波数といいます。
 (2が正解)


【答え】

【解き終わって】

日本中心の短波伝搬曲線集
http://wdc.nict.go.jp/IONO/contents/J019_HFcurves.html

に、最高使用可能周波数、最低使用可能周波数の図が載っています。

http://wdc.nict.go.jp/IONO/HFcurves/HF_1.pdf

とかに図があるのですが、似たような図が、試験問題にでてくることがあります。
そのとき、思い出してくれればいいです。