無線を勉強するのに、「クーロンの法則」から始めてたら、IoTはおろか、アマチュア無線でも戦えない。

 アマチュア無線はもちろん、最近話題?のIoTなどでも、無線の話は出てきます。

 そこで、無線の勉強をしようとすると・・・

 

 なぜか、「クーロンの法則」から始まります。

 「オームの法則」「キルヒホッフの法則」「右ねじの法則」・・・

 これと無線と、どう関係するのかわからず、あまりのわからなさに挫折します。

(大学の授業なんかでもそうですよね!)

 

 これは、アカデミックの世界での勉強の仕方です。アカデミックでは、まず、言葉を定義して、簡単なものから複雑なものへと説明していきます。だから、一番根本的な電荷に関する「クーロンの法則」から勉強します。

 …なんですけど、これ、アマチュア無線をやろうとする人も、IoTで無線を使って通信しようとする人も、ここから始めてしまうと、「はあ?」という感じになると思います。

 

 

 無線を使う人にとって大事なことは、

 「どこへ」「どんな形で」(無線を使って)伝えるか

 ということです。

 

 例えば防災に使うなら、

 「近所に」「音声で」逃げてください情報を伝える。

 テレビ局なら

  「ある地域に」「音声・画像」を伝えたい

という風にです。

 

 この「どこへ」伝えるかは、主に「周波数」と「出力」にで決まってきます。

 「どんな形で」というのは、「無線機」の「通信方式」で決まってきます。

 

 

 前のブログで、「新しい無線工学と法規の勉強をする」と書きましたが、上記の「無線を使う人にとって大切なこと」に沿って、お話していくところが、「新しい」ことになります。

 

 そして話を具体化するために、2人のアマチュア無線志願者に登場してもらいます。

 

 1人は、

アマチュア無線って、海外の人とただでお話できるんなら、英会話学習に最適じゃね!」と思って、アマチュア無線を始めようとしている人です。この人の場合、

 

  「海外」の人と「英会話(電話)」でお話しすること

 

が、「大切なこと」になります。

 

 もう一人は、

アマチュア無線って、老人の人が暇つぶしに多くやっているんだって!じゃあ、おじいさんと会話するボランティアとして、アマチュア無線始めてみようかな」という人です。この人の場合

 

  「国内(とくに近所)」の人と「雑談(電話)」でお話しすること

 

が、「大切なこと」になります。

 

 

勉強の進め方ですが、無線工学は、大きく前半と後半の2つに分けます。

 

■前半では

 「どこへ」伝えるかについてを取り扱います。

 

 まず、「周波数」を選ぶために「電波の伝わり方」を説明します。

 この説明により、海外と英会話するには、どの周波数帯がいいかということがわかります。

 つぎに「出力」です。出力される電波の強さは、出力電力と「アンテナ」で決まってきますので、「アンテナ」について説明した後、出力するために必要な電気を供給する「電源」について説明します。

 

 周波数、電源、アンテナが見えてくると、無線設備の外観がとんなかんじかが、見えてきます。ついでにここで「測定」の話もしてしまいます。

 

■後半は

 「どんな形で」を取り扱います。

 これは、「無線機」の「通信方式」で決まってきます。

 無線機はどんな「電子回路」で出来ているのか、その電子回路をどう組み合わせると様々な通信方式に対応できるのかを説明します。

 後半は、大きいものから小さいものへ説明が進展していきます。

 つまり、「電子回路」を支える「半導体」や、抵抗、コンデンサー、コイルによって作られる「電気回路」、電気回路を作成するのに必要な「電気と磁気」の知識という順に説明しますので・・・クーロンの法則は、一番最後ですね。

 

 受験書籍のような説明ではなく、一般に売っているような無線機をネタに話していこうと思いますので、後半の話が終わったときには、2人のアマチュア無線志願者の無線設備全体が決まる感じになります。

 

 

 そのあとに説明する法規では、実際に2人のアマチュア無線志願者が試験を受けて開局し、交信するまでを、法規の条文と対応させながら説明する予定です。

 

 メインのお話はこんな感じですが、メインのお話以外に雑談も含めて話していきたいと思います。無線の勉強に関連する話はもちろんですが、受験に関係する話(例えば、試験場によく使われる「日本無線協会」ってどこにあるのかとか)、逆に受験には関係ない無線話(例えば「技適って何?」とか)、アマチュアには関係ない話(例えばWiFiの話)、無線周辺の電子工作や電気工事士試験、電験の話などについても、小名は死すると思います。混乱するとまずいので、雑談は、雑談とわかる形で書きます。

 

 また、以前のように問題を解いたりもしますが、問題の解説は明示しなくても、これはメインのお話ではなく、問題解説だとわかると思います。

 

 

参考書としては、「新 上級ハムになる本」を挙げておきますが、

 

 

レベル的には、もうちょっと低いレベルから始めると思うので、無線を知らない人でもついていけると思います。逆に学問的な厳密さは全くない、受験生レベルのお話なので、大学レベルの知識を要求するような、難しいお話は「ない」です。

 

今日のお話は、ここまで。